凡人読書家の書斎(読書&ときどき投資)

日々の読書記録を綴っています。投資もやってます。

経済古典は役に立つ 竹中平蔵 光文社新書(2010)

経済古典は役に立つ 竹中平蔵 光文社新書(2010)

f:id:tk_writing:20210301043833j:plain

優れた経済古典とは分かりやすいパンフレットだ

日本を代表する経済学者で最近YouTubeデビューも果たした竹中平蔵氏の著書である。過去の偉人たちが遺した経済古典を読み解き、それぞれの時代にはどのような経済学的課題が存在していたのか知ることができる。

 

一例をあげると、不況期には政府が財政出動を拡大して経済を支えるべきだという「ケインズ政策」というものが存在する。今となっては当たり前の考え方だが、ケインズがこの政策を提唱した時代には「社会主義者だ」という批判を受けた。当時、世界は大恐慌に見舞われており、従来の経済学の考え方では説明できない事態に陥っていた。だからこそケインズは「政府の財政出動を拡大せよ」と唱えたのである。

 

本書を読むことでアダム・スミスからミルトン・フリードマンまで、経済学の巨匠たちがどのような時代背景のもとで、どのような処方箋を描いたのか読み解くことができる。歴史の流れを旅しながら、経済学の基本的な考え方まで学べる一冊である。