凡人読書家の書斎(読書&ときどき投資)

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邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき 伊藤祐靖 新潮社 2020

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自衛隊が”もしも”本気になったらどうなる

著者の伊藤祐靖氏は日本体育大学卒業後、海上自衛隊に入隊。イージス護衛艦みょうこう」航海長在任中、1999年の「能登半島沖不審船事案」に遭遇している。

その後、全自衛隊初の特殊部隊「海上自衛隊特別警備隊」の創設に携わっている。

特殊部隊の現場に関わったこそ書ける小説だ。

 

特別警備隊とは

能登半島沖不審船事案の際、海上自衛隊及び海上保安庁は臨検(相手の船に乗り込んで制圧すること)を実施しようとしたが、武装した工作員相手に太刀打ちできなかった。その苦い教訓から生まれた特殊部隊である。主な任務は敵勢艦船の無力化とされている。

 

 

本書を読むまで海上自衛隊に特殊部隊が存在するとは知らなかった。陸上自衛隊の特殊作戦群や第一空挺団ならご存じの方もいるだろう。

命がけで国防のため、日々過酷な訓練に励む彼らの姿にスポットを当てたのはすごいことだ。特殊作戦の戦い方はもちろん、自衛官がどのような思い、覚悟を持っているのかリアルに伝わってくる一冊だ。