路 吉田修一 (文春文庫 2015)
日本の新幹線が台湾を走る
この物語は日本が世界に誇る新幹線技術を輸出するという一大プロジェクトを主軸に様々な人間模様が描かれている。
私自身は鉄道が好きでこの本を読んでみようと思ったのだが、日本の鉄道技術とヨーロッパの鉄道技術の違いについてはあまり触れらていない。日本とヨーロッパの技術の融合で台湾新幹線は誕生した。そこには関係者の壮絶なドラマがあったと思うのだが、そのあたりには、あまりフォーカスされていない。
日本人女性と台湾人男性の恋模様。ごく普通の台湾人青年の日常。戦後、台湾から引き揚げた日本人の想い。様々なバックグラウンドを抱えながら生きる人々の7年間がこの一冊には詰まっている。
この本を読むだけで台湾の人、食、街並み、自然などの文化にも浸ることができる。これから台湾を旅したい人や台湾を旅したことがある人にもおススメの一冊である。