日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 もう代案はありません 藤沢数希 ダイヤモンド社 2011
経済音痴の人にも多少経済に詳しい人にもおススメ
本書は月間100万PVを誇るブログ「金融日記」を主宰する藤沢数希氏によって書かれた経済学の入門書である。著者は外資系投資銀行でトレーダーとして活躍していた経歴を持ち、まさに資本主義の最前線で戦ってきた人物である。それだけに、経済に関する造詣は深い。
経済学の本というと難解なイメージを抱く人もいるかと思う。しかし、本書では経済学の基本を平易かつコミカルな文体で書かれており読みやすい。数式も極力省かれている。
私が興味深かったのはリーマンショックはなぜ起きたのか、という解説である。当時、世界中で話題になった出来事だが、本書の解説ほどわかりやすいものは無かった。いまだにリーマンショックのからくりが理解できていない人にとっては本書はおススメである。
他にも経済学の基本である「GDP」「経済政策」「国際金融」などの基本的なエッセンスが多数取り上げられている。
巻末には「もう代案はありません」と称して、日本がとるべ政策についての筆者の新自由主義的な見解が示されている。
もう一度経済を学びなおしたい人、経済学部の学生などに本書を手に取ってみてほしい。