凡人読書家の書斎(読書&ときどき投資)

日々の読書記録を綴っています。投資もやってます。

【レビュー】Kindle Paperwhite購入しました!

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Kindle Paperwhite

念願のキンドルをGET

アマゾンで注文していたキンドルが届きました。

コンパクトながら高級感があって、とてもかっこいいです。これで読書もはかどりそうな気がします。

スペックはwi-fi・8GB・ブラック。価格は15,980円でした。キンドルアンリミテッド3か月無料付きです。

 

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パッケージ

早速トラブル発生

開封して初期設定を済ませた後、トラブル発生。wi-fiにつながりにくいのです。ルーターに問題はなく、色々調べました。

端末の再起動・機内モードをオンにした後解除するなどいろいろ試しました。しかし、いまでも接続が切れてしまう時があります。

同じような経験をされた方はいますでしょうか?

 

 

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サイズ感は新書とほぼ同じです。薄さは新書で100ページ程度です。ページをめくる必要がないので片手でも気軽に読書ができます。寝ころびながら楽な体制で読むのもよさそうですね。

面白い機能も満載です。文章をタップして長押しすると辞書が表示されて、その単語の読み方・意味を一発で調べることが可能です。

また、他のユーザーがハイライトした箇所が文中に表示されます。皆さんがこの本のどこが重要だと感じたか、感銘を受けたのか把握できます。

 

これから使い倒します!

決して安くない買い物ですし、読書しまくって元を取ってやろうという思いになりました。とりあえずビジネス書を中心に読んでいきたいです。画面が白黒なので図や表を用いたコンテンツには不向きだと思うからです。

今後の読書ライフを向上させてくれること間違いなしです。

 

邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき 伊藤祐靖 新潮社 2020

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自衛隊が”もしも”本気になったらどうなる

著者の伊藤祐靖氏は日本体育大学卒業後、海上自衛隊に入隊。イージス護衛艦みょうこう」航海長在任中、1999年の「能登半島沖不審船事案」に遭遇している。

その後、全自衛隊初の特殊部隊「海上自衛隊特別警備隊」の創設に携わっている。

特殊部隊の現場に関わったこそ書ける小説だ。

 

特別警備隊とは

能登半島沖不審船事案の際、海上自衛隊及び海上保安庁は臨検(相手の船に乗り込んで制圧すること)を実施しようとしたが、武装した工作員相手に太刀打ちできなかった。その苦い教訓から生まれた特殊部隊である。主な任務は敵勢艦船の無力化とされている。

 

 

本書を読むまで海上自衛隊に特殊部隊が存在するとは知らなかった。陸上自衛隊の特殊作戦群や第一空挺団ならご存じの方もいるだろう。

命がけで国防のため、日々過酷な訓練に励む彼らの姿にスポットを当てたのはすごいことだ。特殊作戦の戦い方はもちろん、自衛官がどのような思い、覚悟を持っているのかリアルに伝わってくる一冊だ。

アフガニスタンにおけるタリバン台頭は地政学リスクとなりえるか

アフガニスタンタリバンが政権奪取

アフガニスタンで事実上、タリバンが政権を握った。

果たしてこれは地政学リスクとなりえるだろうか。

 

まず原油価格の動向に注目したい。中東で混乱が発生した場合、まず原油価格が上昇するのが過去の傾向である。しかし、今のところ上昇は見られない。むしろ下がっている。

次にスイスフランだ。中東のオイルマネースイスフランを買っている傾向がみられる。これはリスク回避の傾向といえるだろう。

 

株式についてだが、日経平均は大きく売られダウについても先週の上昇分を打ち消す形となっている。

株安となった要因は、地政学リスクの上昇というよりも、8月株安アノマリー(夏枯れ相場)やNY連銀製造業景況指数の低下といったことが大きいのではないだろうか。コロナの感染者増加も一因だろう。

 

スイスフランの動向には注意を払いたいところだが、今のところタリバンの台頭が世界経済に与える影響は限定的と考える。

仮説思考 BCG流問題発見・解決の発想法 内田和成 東洋経済新報社 2006

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大切なのは情報量ではなく仮説だ

仕事で何らかの意思決定をする際、できるだけ情報を多く集めたいと思うだろう。そこから、分析・決断・実行というプロセスに移行していく。

 

しかし、筆者はこのようなプロセスで仕事を進めることを否定する。

まず、大量の情報を集める段階で時間を取られ、疲弊する。そこから実行に移しても時間的・体力的に限界を迎え、正しい意思決定ができないと主張する。

 

こうした事態に陥らないために必要なのが「仮説」だ。

最小限の情報から無理やりにでもよいので仮説を立てる。その仮説をもって、分析・検証を行うことで最善の選択を行うことができる。

 

筆者はマッキンゼーに次ぐ経営コンサルティング世界大手ボストンコンサルティンググループ(BCG)で様々なコンサルティング業務に従事していた。

 

本書では、その中で培った仮説の立て方・使い方・検証の仕方を様々な事例を用いて紹介している。日々の業務・生活の中での意思決定に役立つ一冊となっている。

 

クライマーズハイ 横山秀夫 文春文庫 2006

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実際の航空機事故を題材とした圧巻の物語

日航123便墜落事故から今年で36年が経過した。乗員・乗客520名が犠牲になるという単独機として世界最大の事故であった。

筆者の横山秀夫氏は当時、新聞記者としてこの事故の取材にあたっている。それだけにこの作品が持つ説得力・リアリティーは計り知れないものがある。

 

マスコミの視点から見た日航機墜落事故

主人公・悠木和雅は地元紙「北関東新聞」の記者であった。事故が発生したとの一報を受け「日航全権デスク」を任される。全権デスクとは取材から出稿まで、すべてを任される総責任者だ。

北関東新聞は事故機が墜落した群馬の地元紙という設定だ。朝日・読売といった大手新聞に対抗すべく悠木は奮闘する。

しかし、いち早く現場に到着した若手記者の現場雑感を掲載できなったり、墜落原因に関する世界的スクープの掲載を見送ることになるなど、ことごとく失態を起こしてしまう。

悠木は若手記者との対立、社内のベテラン記者との確執、はたまた家族との関係など様々な問題と向き合う。

 

 

この物語には「世界最大の航空機事故」という未曽有の事態に直面したすべての人物の苦悩・葛藤が描かれている。当時の関係者は皆「クライマーズハイ」だったのである。どのように報道したか、どのようにスクープをとったかということではなく、あえて関係者の苦悩を描くことによって、犠牲者への鎮魂の思いが込められている作品だ。

鉄の骨 池井戸潤 講談社文庫 2011

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突如「談合課」に飛ばされた主人公の悪戦苦闘

主人公「富島平太」は中堅ゼネコンに就職し、現場監督としての仕事にやりがいを感じていた。現場の職人との折衝に戸惑いつつも「立派な建物を建てる」というゼネコンマン魂にあふれていた。

 

ところが突如、まったくの畑違いである事務職へと異動になる。しかもそこは「談合課」と揶揄される部署であった。

 

建設業界の闇「談合」

ピュアな性格の平太は談合という闇の中、様々な葛藤・苦悩を抱える。建設業界を知り尽くした上司や談合を取り仕切る「フィクサー」との出会いの中で、果たして談合とは本当に悪なのなのだろうかとも考える。自分のしている仕事に対して、世の中の役に立つのか立たないのか自問自答していく。

 

談合とは、もちろん公共の利益を損ねる犯罪だ。しかし、建設業課にとって談合なしでは会社の経営が成り立たないという側面もある。そのあたりの業界が抱える構造的な問題について、考えさせられる内容となっている。

 

読後は晴れやかな気分になれる

登場人物も多彩で、平太の交際相手。その交際相手に迫る平太とは真逆の大人びたエリート銀行マン。物語のサイドストーリーとして展開される恋模様も、より一層この作品を引き立たせている。

 

談合という闇の中を疾走した平太が最後に見た景色とは?重いテーマを扱いつつも、最後は心を晴れやかにさせてくれる池井戸ワールド全開の作品だ。

書評の仕事 印南敦史 ワニブックスPLUS新書 2021

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年間500冊本を読むには?

著者の印南敦史氏は「ライフハッカー(日本版)」「東洋経済オンライン」「ニューズウィーク日本版」など、数々の媒体で書評を手掛けている。書評だけで月間40本、そのほかにもコラムやエッセイを執筆している。そんな著者の読書術を含めた「仕事に対する考え方」が本書では披露されている。

 

今でこそ一日1~2冊、年間500本の書評を執筆している著者だがもともとは遅読家だったそうだ。それが毎日締め切りに追われ執筆しているうちに、自然とたくさんの本を読めるようになった。それは特別な能力があった訳ではなく、毎日インプットとアウトプットを繰り返すことで身についたそうだ。本をたくさん読むことは才能ではなく日々の「読む」そして「書く」ことで誰にでも身につく力であると筆者は主張している。

 

本を読むことは知識を頭に入れること。書評を書くことはそこから得た知識を整理すること。このサイクルを繰り返すうちに頭の中に知識が定着し、新しい本を読む際にでも「ここは知ってるな」という箇所が現れ、自然と読書のスピードは上がるはずだ。

 

書評を書く際に注意しなければいけないこと

インターネットの発達によって誰にでも文章を公開できる時代になった。そうした中で筆者は「ネタばれ」「真偽不明の情報をもとにした文章」などの問題を危惧している。書き手は文章を書く自由を享受すると同時に、最低限のクオリティーを維持することが大切だという。私も書評を書いている人間の端くれとして、筆者の危惧を心にとめておきたい。